
マラソン好きな人がEとかMとかアルファベットを使って話していたよ。好きなバストサイズの話かな?

・・・(何言ってんだろこのトラ)
長距離種目のトレーニングの5つの強度はご存じでしょうか?それはアルファベットで表すと『E・M・T・I・R』の5種類です。

僕は『HOT LIMIT』はよく聴くけどね

それ『E・M・T・I・R』じゃなくて『T.M.Revolution』じゃない?そんなに似てないよ?
「今日は疲労抜きのためにEペースにしたよ」、「二日酔いだからMペースでも3㎞でギブアップ・・」、「昨日は体にムチを入れてTトレーニングをこなしたよ」など、長距離種目が好きな方はアルファベットを使って練習メニューを表すことがあります。
『E・M・T・I・R』の他にもLSDやVDOTなど、呪文のような言葉も出てくるのが長距離種目です。
私は学生時代に陸上未経験なので、初めはそのアルファベットの意味がさっぱり分かりませんでしたが、本で知識を身に着けていくうちに段々と理解をすることができました。
そこで今回は『ダニエルズのランニングフォーミュラ 第4版』を参考にして、『E・M・T・I・R』の解説をしていきます。
こんな疑問が解決できます
- 『E・M・T・I・R』って何なの?
- それぞれの練習メニューの狙いは?
- 具体的にどんな練習メニューをやればいいの?
【E・M・T・I・Rって何なの?】
早速、5つの練習強度の『E・M・T・I・R』について解説をしていきます。
Eとは
Eとは英語のEasy(イージー)の頭文字をとったものです。
Easyは日本語に訳すと「簡単な」とか「気楽な」という意味であり、その意味の通り『自分にとって気楽で無理のないペースで走る練習メニュー』のことを、EランニングやEペース走と呼びます。

それってジョグと同じじゃない?

たしかにほぼ同じだね
Eランニングの狙い・・心筋の強化、血管新生の促進、ケガに対する耐性をつくるなど
イージーランニングなら、特にきつい運動をしているという感覚はなくても、心臓はさかんに動いている。
Eランニングの効果はほかにもある。それは血管新生(活動金に栄養や酸素を供給する細い血管が新たに作られること)が促進され、ランニングに関わる筋肉自体が、ランニングに適した特徴を強めていくことである。
引用:ダニエルズのランニングフォーミュラ 第4版 part1 第4章

つまりゆっくりのペースで走っても、心臓が強くなったり、血管も進化していくんだね!

Eランニングおそるべし・・
練習メニュー例・・30分~150分間Eペースで走る。
ランニングは30分間持続すると、費やした時間に対する効果はかなり大きくなる。よってEランニングをする場合は、少なくとも30分間は続けた方がいい。私自身、「30分くらいは割かないと、結局シャワーや着替えの時間のほうが長くなってしまうよ」と選手たちによく言っている。とはいえ持続的なランニングの上限は150分にしたほうがいい。これはマラソンのトレーニング出会ったも同じだ。
引用:ダニエルズのランニングフォーミュラ 第4版 part1 第4章
Mとは
MとはMarathon(マラソン)の頭文字をとったものです。
つまり、Mペースランニングは、フルマラソンを走る時のペースで走る練習ということになります。

てっきり僕みたいにドMな人が走る場合、Mペースって言うのかと思ったよ

どんな思考回路してるの?
Mランニングの狙い・・マラソンペースに慣れること、マラソンペースで給水をとる練習ができる

この前レースで給水しようとしたら、全部顔にかかっちゃって一口も飲めなかったから、仕方なく水溜まりで給水したよ

下手すぎない?でもトラなら水溜まりで給水している方が、自然ではあるわね・・
練習メニュー例
- ①E15分+M50分+E10分
- ②E15分+M60分+E15分
- ③E15分+M75分+E15分
上記のようにEペースと組み合わせながら行うのも効果的です。
Tとは
Tとは、Threshold(スレッショルド)の頭文字です。日本語に訳すと『閾値(いきち)』となります。

エビバディセイ!スレッショルド!

キャラ崩壊してるよ・・
Tランニング(閾値走)とは、簡単に言うと『きついっちゃきついけど、20~30分間くらいは走れるな』というペースとなります。
いわゆる、心地よいきつさというイメージになります。
Tランニングの狙い・・持久力の向上
Tランニングを行うのは、血中の乳酸を除去し、十分に処理できる濃度よりも低く抑える能力を高めるためである。持久力の向上が目的だと考えておけば間違いない。
引用:ダニエルズのランニングフォーミュラ 第4版 part1 第4章
練習メニュー例
- ①E10分(ウォーミングアップ)+T20分
- ②E10分(ウォーミングアップ)+T6分×5本
上記のようにEペースランをウォーミングアップとして行った方が良い。週間走行距離に合わせて、疾走時間が長くなるように調整をしていくことが大切です。
Iとは
IとはInterval(インターバル)の頭文字となります。
すごく簡単に言うと、『速いランニングと休息を繰り返すトレーニング』となります。ちなみにインターバルにおいての休息というものは、ジョギング(Eペース)を表しています。
つまり、『速く走る』と『ジョギング』を繰り返すトレーニングです。

僕は400m速く走った後に、2年間休息をとってからまた速いペースで400m走ったよ。これってIトレーニングとして成り立ってるよね?

2年間越しのインターバル・・それは休みすぎよ
Iペースで走る時間は3~5分かけるのが適正ですが、休息の時間を短くすれば、3分よりも短くてもOKです。Iペースは、自分の感覚の8割ほどの走りのペースと認識していただければと思います。
Iトレーニングの狙い・・有酸素性能力(VO2max)を最大限に高める
練習メニュー例
- ①(Iペース800m+ジョグ2分)×5本
- ②(Iペース1㎞+ジョグ3分)×5本
走力に合わせて本数を伸ばしたり、Iペースで走る距離を400mにしたりと微調整が必要です。
Rとは
Rとは、Repetition(レペティション)のことで、意味は『繰り返し』を表します。
つまり、レペティション(R)はインターバル(I)と同じように、速いペースとゆっくりなペースを繰り返すトレーニングということになります。

じゃあインターバルとの違いを教えてよ!さぁ、早く!今!

今説明するから少し落ち着いてよ
レペティション(R)は、インターバル(I)よりも速いスピードで走ります。その代わりに休息時間はインターバルよりも長くとります。
インターバルは感覚的に8割ほどの力で走りますが、レペティションの場合は9割~9.5割の力で走ります。
その代わりにジョグの時間を長めにとって、体力をしっかりと回復させてからまた走り出します。
Rトレーニングの狙い・・スピードやランニングエコノミー、無酸素性能力の向上
- ほぼ限界に近いスピードを繰り返し出す
- スピードが身に着く
- スピードが身に着くとマラソンペースがゆっくりに感じる
- ランニングエコノミーが向上する
練習メニュー例
- ①(R200m+ジョグ200m)×8本
- ②(R400m+ジョグ400m)×6本
個人の走力によって本数を減らしたり、増やしたりする必要があります。疾走している距離とジョグの距離が大体同じになるくらいが丁度よいです。
【E・M・T・I・Rのペース設定】
なんとなく【E・M・T・I・R】の練習メニューの違いは分かりましたが、具体的にはどのくらのペースを設定すればよいのでしょう?
ここで参考にしたいのが、『VDOT一覧表』です。

またアルファベット・・これじゃ英語の授業だよ(´;ω;`)

もうすぐ終わるから泣かないで!
すごく簡単に説明をすると、『VDOT一覧表』というものは、ジャック・ダニエルズと教え子のジミー・キルバートが作成をしたものであり、自分のベストタイムを出した種目のタイムから、「他の種目ではこのくらいのタイムを出せるだろう」と確認をすることができる一覧表となります。
例えば、筆者のトラーはハーフマラソンのベストタイムが『1時間19分34秒』なので、フルマラソンは『2時間48分14秒』、10㎞マラソンなら『36分24秒』ほどの実力が身についていることになります。
このように自分の走力が他の距離ではどのくらいなのかが一目で把握をすることができます。
VDOT一覧表は『ダニエルズのランニングフォーミュラ 第4版』に詳細が載っておりますので、気になる方はご一読ください。
またありがたいことに、現在の自分の走力の場合は【E・M・T・I・R】の練習メニューをどのくらいのペースでこなせばよいかも一覧表で載せてあります。
私の場合は・・
- Eペース→1㎞4:22~4:57
- Mペース→1㎞3:59
- Tペース→1㎞3:46
- Iペース→400m83秒
- Rペース→400m77秒
がむしゃらに走るよりも、自分の適性ペースを把握したうえでトレーニングを積んでいくことが大切になります。
【E・M・T・I・Rの練習の割合】
それぞれの練習メニューは、どのくらいの割合で行えばよいかの基準がありますのでご紹介します。
- E→週間走行距離の25%~30%
- M→週間走行距離の15%~20%
- T→週間走行距離の10%
- I→10㎞か週間走行距離の8%のどちらか少ないほう
- R→8㎞か週間走行距離の5%のどちらか少ないほう
引用:ダニエルズのランニングフォーミュラ 第4版 part1 第4章
速いスピードを出す【T・I・R】などのメニューの割合は低めに設定をしないと、ケガの原因になりますので気を付けなければなりません。
まとめ

- E→ゆっくりペース
- M→マラソンペース
- T→20~30分は走れるペース
- I→80%くらいの速いペースとジョグを繰り返す
- R→90%以上のペースとジョグを繰り返す
ジョグだけでも走力はついていきますが、色々な練習メニューを組み合わせることによって、より効率的に走力を向上させることができます。
【E・M・T・I・R】のメニューを上手く活用し、ベストタイムを目指していきましょう!

今日はMペースで10㎞走ろうかな

あなたって覚えた言葉をすぐに使いたがるタイプね
それでは今回の記事はこの辺で終わり!またね👋
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