マラソンなどの長距離種目が好きな方は、自分の走りのピッチ数を意識していますか?ちなみに私は今まではあまり意識していませんでした。
ただ、長距離の記録を向上させるために自分で勉強をして調べていくうちに、ピッチについての知識を身に着けておいて損はないということに気付きました。
そこで今回はピッチについての知っておくべき知識をご紹介していきます。「ピッチなんて言葉初めて聞くよ・・」という方でも、しっかりと理解していただけるようになるべく詳しくお話をしていきますのでご安心ください。
この記事を読むとこんな疑問が解決できます
- そもそもピッチって何なの?
- 理想のピッチ数は何回なの?
- なぜピッチを意識した方がいいの?
【そもそもピッチって何?】

そもそもピッチとは何なのかを簡単にお伝えすると、「1分間に地面に足が着いた回数」のことを言います。
1分間に両足合わせて150回地面に足が着いている方のピッチ数は150回、200回着いている人のピッチ数は200回ということになります。
ちなみにGPSランニングウォッチのガーミンを使用した場合は、ピッチ数だけではなく心拍数や呼吸数、おすすめのトレーニングメニューまで教えてくれます。
ランナーは1台持っておくと重宝します。
ガーミンをお手持ちのスマートフォンとペアリングをしたら、行った練習のデータを見ることができます。

データの『統計』の欄に『平均ピッチ』が記載されています。私はこの日は14㎞ジョギングをしたのですが、平均ピッチ数は173回だということが簡単に分かります。
ガーミンなどのランニング系ウォッチがあればピッチ数を自動で計測してくれますが、まだお持ちでない場合でもおおよその自分のピッチ数を簡単に知ることができる方法があります。
ピッチ数の計測方法
- ストップウォッチで1分間時間を計る
- 右足(もしくは左足)が着地した数だけをカウントする
- 1分経ったら、右足が着地した回数を×2倍する

右足の接地回数を2倍すれば、左足の接地回数も合わせたピッチ数になるってことか!これなら数えやすい!

あなたは4足歩行だからピッチ数が多そうね!
【理想のピッチ数は180回?】
無数のランナーをコーチングし、レジェンドとも称されている指導者、ジャック・ダニエルズが書いた『ダニエルズのランニングフォーミュラ 第4版』には、こう書かれています。
・いちばん快適で疲れにくく、1分間で180回程度ピッチで、脚が軽く素早く回転できる接地を選ぶといい。
・接地は1分間180回を心がけ、なるべく力を使わずに地面を転がる感覚をつかむ。そうすれば今よりもずっと楽しくなり、ケガも減るはずだ。
引用:ダニエルズのランニングフォーミュラ 第4版 part1 第2章
ジャック・ダニエルズは、多くのトップランナーのピッチに注目した結果、180回というピッチ数を推奨をするようになりました。
【180回のピッチ数がいい理由】
ジャック・ダニエルが180回のピッチを推奨する理由として以下のように話しています。
ピッチは1分間180回程度目指すよう、私は強く推奨しているが、その理由の1つは、接地の衝撃をできるだけ小さくするためである。脚の回転が遅くなるほど滞空時間は長くなる。そして滞空時間が長くなるほど身体は高く持ち上がり、身体が高く持ち上がるほど次の接地時の衝撃は大きくなる。
引用:ダニエルズのランニングフォーミュラ 第4版 part1 第2章
ピッチが少ないということは、高く跳ね上がっているため空中に跳んでいる時間が長いということになります。つまり、高く跳んだ分着地した時には脚に大きな衝撃があります。衝撃が大きいとケガの原因になったり、脚への疲労も溜まりやすいことが想像できます。

1階のベランダから飛び降りても大丈夫だけど、3階のベランダから飛び降りたらケガをするよね!それと同じってことか!

あなたにしては珍しく物分かりがいいわね!
【自分のピッチ数を確認】
以上の情報を学習したうえで、直近の私のジョギングのピッチ数を調べてみました。




最近1か月で私がランニングをした回数が24回でした。そのうちのジョギングをした際の平均ピッチ数は、上の写真からも分かるように大体170回~172回ほでであり、180回よりも少々少ないということが分かりました。
ジョギングではなく、ある程度速く走った(1㎞あたり4分ペース)日のピッチ数も見ていきましょう。

平均すると1㎞あたり4分ペースで8㎞走っています。最終的には3分40秒ペースで走っています。ピッチ数は・・

175回であり、180回には届いていませんでした。ただ平均ストライドは1.43mであり、ストライドが大きく伸びています。
私の場合はピッチ数を上げるというよりかは、ストライドを伸ばすことによってスピードを出していることが分かります。
【実際にピッチ数180で走ってみた】
実際にピッチ数180回を狙って10㎞ジョギングをしてみました。
普段より小刻みに接地をして、ピッチを増やす意識をしていったところ・・・

無事にピッチ数181回になりました。意識をしたら意外と簡単にできましたが、感覚的にはかなり小刻みに接地をしなければ180回にならないんだな・・と感じました。
ピッチ数180回で走って感じたこと・・
- 市民ランナーにとっては、かなり小刻みな接地を意識しないと180回にならない
- ピッチをあげるので、ストライドはやや短くなる
- 今までのランニングで慣れたピッチ数と異なるので、違和感を感じた
- 走りのダイナミックさは減るが、接地時の脚への負担感は確実に少なかった
筋肉量が比較的少なく、脚の筋肉の疲労によってマラソンの後半に失速をしてしまう経験がある方は、ピッチを上げることによって疲労感が少なくなり、タイムの向上に繋がるかもしれません。
【まとめ】

実際にピッチ数180回で走ってみたが、接地するときの脚への衝撃が少なくなるということは、確実にその通りであると感じた。同じ10㎞のランニングでも、ピッチ数が多い方が脚への疲労感が完全に少なかった。
ただ、ピッチ数を意識するあまりにフォームが崩れてしまっても意味が無いので、結局は『意識をせずに走った時の感覚でOK』だと思っています。走力を磨いていくうちに自然とピッチ数は上がっていくものなので、変に小股で走るなどのやり方はかえって逆効果となります。
事実としてトップランナーは必ずと言っていいほどピッチ数は180を超えています。ちなみに女性ランナーの場合は200を超えることも珍しくありません。
意識しすぎるとフォームを崩してしまうので、『トップランナーはこのくらいのピッチ数であるということを知ること』と、『普段の自分の走りのピッチ数を把握しておくこと』の2点は、自身ののレベルアップのためにも必要です。
今後は普段の自分のランニングデータを見る際には、ぜひ『ピッチ数』にも注目をしてみてください。
それでは今回の記事はこの辺で終わり!またね👋
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